また今日もあたしは
─夜の世界へ─。

好きでもない
愛してもない男の為に
あたしは
化粧をして
念入りに髪を
セットする。

蛍光色の
やけに胸元が
強調された
キラキラした
衣装をみにまとう。

そしてあたしは
偽りの笑顔を
振りまく。

そう、
あたしはキャバ嬢。

わけがあって
働いてるんだ。
その訳はのちのち
分かるよ。


「亜矢ー★
今日キマってるね」

声をかけてきたのは
仕事の中で
唯一腹をわって
話せる相手、真奈。
真奈ってのは
源氏名で、ほんとは
愛って名前なんだけど
店ではお互い
源氏名で呼び合う。
あたしは、亜矢が
源氏名でほんとは優衣。


「ん?そうかな?
ってか真奈のが
キマってんじゃん☆」

「ほんと!?ありがと★
ってか聞いてよ!!
彼氏と別れちゃった〜」
「あの若い?なかなか
カッコよかった客と?」
「そうそう!!
また今日から
頑張んないとなぁ」

「せいぜい頑張んな」

「亜矢も一緒に
頑張ろうよー」

「はいはい」