誰かじゃなくて、俺は。 「……楠木さん」 俺の心臓が早鐘を打つ。けたたましく鳴り響いている。 上昇する体温。 薄紫色の闇に、白いストライプ。 ミルクティーとコーヒー、はなまる、黒髪、細い指先、笑顔、優しい声、切れ長の目尻、大きめの綺麗な瞳―――――― 俺が知る限り全て、 全ての貴方が、 「(好きです………)」 どうして、 こうも俺は駄目なんだ