「俺がお前を嫌いになるハズ無いって…言わなきゃ、わかんないの?」 自分でもバカなことを言ってるのはわかってる。 でも、それでも。 俺と朔良の間には、ドア一枚分の距離なんか無いんだと認めさせたくて。 つい言ってしまう。 「さくはさ?結局俺のことが信じられな」 「違うよっ!!」 あぁ、距離を作っていたのは俺の方だ。 朔良は俺の近くに居て、 ずっと俺を見てたのに。 朔良の涙は、 それを俺に気づかせることに あまりにも十分すぎた。 俺と朔良の間に、 はじめからドアなんか無い。