そう思う理由は、自分でも理解しているつもりだ。 嫉妬心。固執心。束縛心。 多分、簡単な言葉で片付けるならそういった類のココロなんだろう。 少しベクトルが違ってしまっただけで、俺も純粋な男子高生だから。 欲しいんだ。 先生と俺の間の特別な繋がりが。 “皆”とは違う何かが。 「リツ、そっちの窓閉めて」 その声でふと我に返る。 先生は一昔前の歌謡曲を口ずさみながら窓に手をかけた。 揺れてる。 曲に合わせて、しっぽが踊って。