「猫耳注意報……」 呟く刻斗の隣を、怪訝そうな顔をした中年女性が通り過ぎた。 特になんという気もない。 きっと酔いがまだ醒めきっていないだけだ。 自分の見間違い以外にない。 それにしても、なかなか間違え方がメルヘンじゃないか。今日は笑い話にして、会社のみんなに聞かせてやろう。 ため息ひとつ、ホームへ向かう。