ぱっと給湯室を飛び出した俺はオフィスを何食わぬ顔で横切った。ちらり、と目をやれば、お局様を筆頭にした女性陣はいない。 時計の針は――……17時5分。 うん、いないのも無理はないね。お仕事終了ってことか。 さっとドアを開けて、出来るだけ音を立てないように閉めた。 すぐ前の自動販売機に向かう。 「ええっと…」 ミルクティーとコーヒー。 多分ハズレは無いであろう組み合わせ。 がしゃん、と軽快な音と共に降ってくるアルミ缶を手にとった。