「(くっ…くすきさん!?)」 ふわふわの、耳。 楠木さんの黒髪と同じ色の、 真っ黒な耳。 「……さ、坂口君?」 「しっ…こっち来て楠木さん」 コピー機の影を縫って給湯室に飛び込む俺。 とりあえず鍵を掛けて、楠木さんに向かい合った。