入れ違いに俺のデスクにやってきたお局様が、楠木さんを熱っぽくガン見してからコピー書類を俺の机にぺちんと叩きつけた。 「……あ」 俺が呼び止めたのは楠木さん。同時に振り返ったお局様には目もくれてやらない。 俺は立ち上がった。 「……坂口君?」 楠木さんが俺を見る。 「……トキ、ですよ」 俺は言いながら、手にした書類を手渡した。 「ハンコお願いしまぁす」