「コピーお願いします」 年上熟女なお局様は、俺の言葉にさも面倒くさそうに立ち上がる。 「はいはぁい」 その衝撃にギシンと動いた椅子の悲鳴だけが俺を慰めた。 「………なんなんだ、もう」 仕事は嫌いじゃない。 そこそこの売上を上げる外資系企業の企画開発部と言えば、なかなか優秀な機関だし、終始仕事に追われているわけでもないし。 毎日が充実、してる。