かちゃん、と可愛げのある音だけが大気を震わす。 そっと広がる景色の中には見慣れた部屋。乱雑に転がる衣服の多さにさすがはメンバー1の衣装持ちだ、と思う。 そこだけ、バリアが張られたかのように部屋の中にできた、小さな空間。 朔良が、そこで歌っている。 俺は声をかけられずに、そのまま立ちすくんでいた。