「忘れてた!…ありがと、立稀」 「いーえ」 わざと素っ気ない返事をしてみても、先生はニコニコ笑って礼を言ってのける。 恥ずかしながら、俺が先生に憧れているポイントのひとつだ。 くるりと背を向け、扉に向かって歩きだす先生を目で追う俺は、 次の瞬間。 「………せ、先生っ!」