怖いのと愛しいのが撹拌されて、もう何が何だかわからない。 孤独はなかった。 睦実がいたから。仲間も、明衣さんもいたから。 俺がずっと欲しかったモノは、 忘れていたモノは、 ────安心。 腕の中で振り返る。 目を見開く明衣さん。 俺のじゃない涙、震える肩。 「すきッスよ…明衣さん、めいさんっ……!」 それがこの瞬間、俺の世界のすべて。 俺はその中に俺を手放した。 「めいさんっ…!」 ああ、なんてあったかいんだ。 「…もうどこにも、」 どこにも行かないで、明衣さん。