「いらっしゃいませ―!!」
「お化け屋敷はいかがですかぁ??」
「いらっしゃい!いらっしゃい!」




聞いているこっちののどが痛くなりそうな程の大声で、自分のお店をアピールする生徒と、目的のお店へ向かうためにありとあらゆる方向へ足を進めるお客でごった返している。






今日は、クリスマス祭当日だ。




目眩がしそうな程の晴天。
お祭にはうってつけの天気である。





「暇だねぇ、はるか。」

『暇だねぇ・・・。まぁ、楽ではあるけどね。』





うちのクラスは、漫画の所有率が多く、そしてめんどくさがりが多いために漫画喫茶となった。



要するに、飲食物をお客の元へ運ぶことと、受付の仕事しかないのでこの上なく楽なのだ。








『美夏、午後の部はどうするの?』




なんとなく聞いてみた。




「千秋と周ろっかなぁって考え中。あいつも午前中だからね。」



なんだかんだ言ってもこの2人、結局は仲がいいのだ。





「はるかは?翔くん、午前なんでしょ?」


『あ―、うん。もう約束した。』







ちなみに翔のクラスは喫茶店。
午前中休みで、周ってきた子の情報ではなかなかの人気らしい。