「・・・、・―る、は―る。」



裕に軽く体を揺すられて、私は目が覚めた。




『ん―・・・今何時?』


「いまね・・・午後の授業が始まるちょうど10分前。」


『そっかぁ・・・結構寝てたんだね・・・♪』


「・・・確かに。」



あれから私達は少し話した後、すぐに寝てしまったみたいだ。


久々に、ぐっすり寝られた気がした。





「じゃあ、俺先に行くな。」


『あ、うん。バイバイ。』





手をヒラヒラと振って、裕は先に戻っていった。








低い、少しだけ灰色がかった水色の、冬にしか見ることができない空を見上げる。







裕の声を聞くだけで、裕の空気を感じるだけで。




満たされた気持ちになる私が、そこにはいた。