「はるかのクラスは、今年は何やるか決まった??」

『う―ん・・・決まってないと思う。・・・多分。』


言葉を濁す私に、翔は苦笑していた。



「はるか?」

『はい・・・・・』

「HRくらい、話、聞いとこうな?」

『はぁ―い・・・』



唇を尖らせる私の頭を、翔は優しく撫でてくれた。







翔は父親みたいだ。と、時々思うことがある。



時に厳しい眼で、時に優しい眼で見てくれる、母親とは違う暖かさ。









・・・・・って違う違う。
翔は彼氏だ。家族とかではない。



「はるか―?」


いろいろ考えているうちに、自分の世界に入っていたらしい私は、翔に呼ばれて我に返った。



『ご、ごめん。ボーッとしてて・・・何の話だった??』


慌てて聞くと、翔は苦笑いのまま、


「ったく。ちゃんと聞いとけよ??・・・・・まぁいっか。
んで、さっき話してたのは、クリスマス祭何やるか、美夏ちゃんと千秋に聞いてみたら?って言ってたの。」




翔の提案に納得した私は、早速後ろを振り返りながら美夏達に聞くことにした。




『美夏ぁ―、今年のクリスマス祭うちのクラスって・・・・・・』



10m程離れた場所での光景に、思わず呆然とする私達。






―――そこには、さっきの喧嘩から一転、イチャついている2人の姿があった。





『翔・・・』


「・・・何?はるか。」


『先、帰っちゃおうか。』


「・・・そだな。」







眠りにつこうと沈みながらも帰り道を照らす太陽と、散々振り回してくれた1組のカップルを置いて、私と翔は先に帰ることにした。