12月になった。
裕のキス現場目撃から2ヵ月たったというわけだ。
あれから私達は、その出来事の前とほとんど何の変化もない。
唯一変わった事といえば・・・
何故か裕が私の事を「はる」と呼ぶようになったことくらいだ。
突然の呼び方の変化に驚いた私は、裕に聞いてみた。
『ねぇ裕。
なんでいきなり、私のこと「はる」って呼ぶようになったの?』
すると裕は・・・・・何故か首を傾げる。
『ん―・・・なんでだろ?』
そう言って、その日の天気の様に爽やかに笑った。
思わず肩を落とす私。
「んとね・・・なんか、はるに「か」は要らないんじゃないかなぁって思っただけ。
・・・はるはこの呼び方・・・嫌?」
少し微笑んで首を傾けながら、裕は私を見つめた。
そんな風に聞かれたら・・・
『ううん。嫌じゃないよ。なんとなく、気になっただけ。』
そう答えるしか、なくなるじゃない。
でも「はる」という呼び方は嫌いじゃなかったので、私はそのままにしておいた。