「はるかと一緒でさ、たぶん、恋愛感情じゃないんだ。
だけど、大事なんだよな。家族とも、友達とも違う・・・。
う~ん、なんて言えばいいのかなぁ・・・。」



私を抱き締めたまま、頭を抱える裕。




・・・かわい。


そう思ってクスリと笑うと、裕は怪訝な顔をして私を後ろから覗き込む。


「・・・はるか。お前何笑ってんの?」





だいぶ緩くなっていた裕の腕から離れて、私は裕と向かい合わせになった。


『裕・・・私わかるよ。なんとなく。だって、私も裕と同じだもん。』


そう言うと、裕の顔に輝きが満ちる。
そして、私を再び抱き締めた。
そのまま、私の耳元で呟く。

「俺はさ、離れていかないから。はるかの前から消えたりしないから・・・。
はるかも・・・俺の前から消えないで?いつもどおりの・・・はるかでいて?」




私は・・・・・心の底から、安心した。
暖かくて、やわらかくて、幸せな気持ちで満たされた。



その気持ちのまま『うん。』と呟く。





このままがいい。


ずっと、このままが・・・