木の葉と土が擦れ合う音が聞こえる。



しばらくの間、私達は話さなかった。





・・・だけど、この体勢はまずい。

そう思った私は、
『・・・裕、そろそろ離れない?』
と問い掛けた。




なのに、
「やだ。ぜぇったいやだ。」
即答する裕。絶対までつけなくても・・・・・




「だって、俺が放したらはるか逃げるだろ?だから放さない―っ。」



・・・さすが裕。
よくわかってるよ、うん。



「はるか、そのまま聞いて?
・・・俺さ、はるかの事友達だなんて思えないんだよね。」





え・・・。



思わず振り向きそうになったが、裕がさらに強く抱き締めてきたので振り向けない私。




心が・・・ズキズキと心が痛む。




泣きそうな私の顔を見た裕は、言葉を続けた。

「勘違いしないでね?友達だなんて思えないっていうのは良い意味なんだから。
はるかはさ・・・う―ん・・・俺国語苦手だから上手く言えないけど、とにかく大事なの。わかる?」




・・・心がちょっとだけ癒えた私は、なかなか単純なのかもしれない。





裕の言葉は、素直でストレートだ。

だから、そのまま心に入ってくる。