『・・・えっ?』
美夏を引っ張って、トリップしながら走っていたようだ。
手の先には、ハァハァとかなり疲れた様子の美夏がいた。



「は・・・はるか・・・速い・・・よ・・・」
かなりバテてる美夏。
『ご、ごめんね・・?』









美夏の息が整ったころ、2人は再び歩き出す。


「あれってさぁ、E組の神崎裕だよね??」

『えっ美夏・・・知ってるの?』

・・・危ない危ない。
うっかり『裕の事知ってるの?』って聞くところだった。
これではまるで知り合いみたいじゃないか。
・・・・・知り合いだけど。

美夏に裕との関係は言っていない。・・・言うつもりもない。



「知ってるのってあんた、翔くんと同じ位人気だし、有名だよ?《女遊びの代名詞》って言われてるくらい彼女とっかえひっかえらしいし。」

・・・なんだそれ。



なんでそんなに人はまわりが気になるのだろう。ほっといてあげればいいのに。



・・・と言うのも面倒だったので、私は黙って美夏の話を聞いていた。