ありがとうを今キミに








「……えっ?誰?」

振り返るとそこにはオレンジ色の髪をした威厳溢れる容姿端麗の男がいた。




「お前鬼姫なんだろ?隼人さんの妹の」

「そうだけど……」

何で隼人を知ってるの…?
そういえばこの男昔会ったことがある気がする…

「何で隼人さんを知ってるかって?」

「――っ!!」

「俺“黒蝶”の総長やってんだ。隼人さんの跡を継いだ、だから知ってる」

「そっか、アンタ…名前は?」

「菅原陽向」

確信した。コイツ私の家に隼人と来ていたヤツだ……

「そ、じゃあね」

私はメガネとカツラを拾って屋上の扉の方へ歩きだした。


すると、


「逃げんな」

そう言って菅原が私の腕をつかんでいた

「離せよ!!」

「“Butterfly”救えんのはお前だけだ、助けに行ってこい」

「何も知らねーくせグチグチうっせぇんだよ!!ほっとけや!!」


私は勢いよく菅原の腕を払い屋上を飛び出た。