ありがとうを今キミに




最近幹部入りした美沙が言った。




「……美沙、どういうことか説明して」

ずっと俯いていた恋歌が口を開いた

「私が“Shadow”に昨日の夜捕まったんです…さすがに10人の人に押さえつけられたら逃げれなくて…

“Shadow”は私を使って総長を呼び出したんです…総長1人だけを…――



総長は1人でも戦いました。私が逃げて下さいと何度言っても総長は逃げなかったんです。

そのとき、私が殴られたときにできた総長の隙をついて“Shadow”の頭が総長を蹴り飛ばしたんです……




そ…っしたら総長の上に…っヒック…物がっ、たくさん落ちて…き…て……ック…それ…で、「もういい」…グスッ」


「もうわかったから…」

やっぱり璃緒さんは最後まで

私の大好きな璃緒さんのままだった。


「―ック…美沙辛かったね…」

恋歌も泣いていた。


私も泣きそうだった。

でも泣かない、

この戦いの幕が閉じるまでは

絶対に泣かない。