「最初は、」

「…あ??」

「お前を倒してから上に行くつもりだった。」

「ふんっ、たいした自信だな白兎。」

「…けど、お前の並外れた身体能力は予想外だった。多分このまま続けても埒が明かない。」

「………で??どうしようってんだよ…??」

































「…こうする。神具“金時”(カナトキ)!!!!」



懐中時計から青い光が溢れる。



「お前っ…!!他にも神具持ってやがったのか??!!」



少年は火球をいくつもラビの方へ投げ付ける。



「………。」

「?!」



ラビは避けようとはせず、ただ一言、言葉を紡いだ。


「――“止まれ”。」







































火球はラビに当たる寸前で動きを止めた。



少年も火球を放ったときの体勢のまま静止している。



崩れた壁の破片も下に向かって落下している途中で止まっていた。





――その空間にあるもの全ての時が止まっているのだ。



「………ふぅ。さて、時が流れ始める前に上行って優を追わなきゃな。“超力”!!」





――ドゴォーン!!!!――





ラビは先程瓦礫で埋まった階段の入り口を突き破って優の後を追いかけた。