月から堕ちたアリス

少年は飛んでいくその光に目を奪われていたが、慌てて現実に意識を引き戻す。



彼女はどうなったんだ……??!!





視線を向けると、女王の目の前に仰向けに横たわっている少女の姿。



まさか…殺されてしまったのだろうか――…??


















「…さて、これでお前は自分のことは何も思い出せないから覚醒することも無い。しかしここで暮らして記憶を取り戻されても厄介だ。」



女王は不気味に微笑むと、気絶した少女に向かって続けて言う。



「…ちょうど良い。お前をあっちの世界の住人にしてやろう。」



女王は少女の胸の上に右の手のひらをかざすと呪文を唱え始めた。


少女の体を暗い闇が包んだ次の瞬間、





「あっちの世界でお幸せに…。





太陽と月の姫、『アリス』。


永遠に、な………。」







少女の姿は消えていた。


少年は恐ろしくなってその場から逃げ出した。















そこには女王の笑い声がいつまでも響き渡っていた――…。