『どうしてだろう…。モンスターにもあたし達の言葉って通じるものなの…??』

「――いや、普通は通じないよ。けど、アルトにはもしかしたらその素質があるのかもしれないね。」

「ごく稀に、モンスターと心を通わせられる能力を持つ者がいるって話なら俺も聞いたことがある。元々半竜族も、ある人物がドラゴンと心を通わせたことから誕生したと言い伝えられていたしな。」

『そっか………。』





心を通わせる…


そんなことができるなんて、余程お互いに信頼性があるっていうことだよね。


それって本当に凄いことだよ。





「結局、アルトに助けられちゃったな…。」

『うん。…でも、良かった。』





アルトは腕の中のシチビに優しく微笑みかけ、シチビは安心した様子で静かに抱かれていた。





あたし達3人はしばらくの間、アルトとシチビのそんな様子を見守っていた。