何なんだろう…??



「あんたさぁ〜歩にまとわり付くのやめてくんない?!今の歩の彼女はあたしなんだから!!」



この人が、

歩の彼女――??



あたしだって歩の彼女だ!!



そう言いたくなる衝動をグッとこらえる。



「人の気持ち考えなよ?!自分の彼氏が得体の知れない女と仲良くしてたら嫌に決まってんじゃん!!」

「歩の彼女は理沙(ﾘｻ)なんだから。分かった??」



周りの２人も加勢してきた。



『…ただ話してただけです。』

「言い訳すんなっ!!」

「――っ!!!!」



――ﾄﾞﾝｯ!!!!――



え…………………??



あたしは突き飛ばされ、後ろから倒れる。


あたしの後ろは…

確か下りの階段―――



宙に浮く感覚。

一瞬時が止まったように感じた。



頭に浮かぶのは、あの夢で堕ちているときの光景。



堕ちてゆく…



――ｽﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯ!!!!――



「き…きゃあっ!!!!」

「ちょ…ヤバくない?!」

「行くわよっ!!!!」



――ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀｯ――



身体中に鈍い痛みが走った。


目を閉じ、意識が朦朧としていく。



誰かがあたしのすぐそばに立っている気配がした。



目が開かなくてそれが誰なのか見れない。























「だからやめちゃいなって言ったのに。」



そんな言葉が耳に入ったと思った瞬間、あたしは意識を手放した。