どのくらい走っただろう。 あたしは息が上がっていた。 とにかくあの場から去りたかった。 晃とあの子が楽しそうに話してるところなんか見たくなかった。 晃とあの子が相合い傘をして帰ってほしくなかった…。 だからあたしは嘘をついて、傘を返した。 でも、嘘だってバレてたかもしれない。 だってあたし、そのまま外に出たから。 だけど、どうしても晃とあの子が相合い傘をして帰ってほしくなかったんだ…。 それだけはしてほしくなかったんだ…。 .