晃の声が聞こえた気がして、あたしは振り返って、辺りを見回した。 でも…誰もいなかった。 気のせいか……。 そうだよね、晃が来るはずないよね、今頃あの子と一緒にいるはずなんだから……。 あたしは、前を向き歩き出した。 「…千裕!」 え……? そんなはず…あるわけ… 「千裕!待てよ!!」 もう一度振り返ると、後ろから晃が走ってきていた。 なんで…? あの子と一緒じゃなかったの…? なんで走ってきたの? あたしに文句でも言いにきたの? 邪魔するなって…? .