加納欄のリンチ シリーズ16

苫利先輩のこと、先輩達にフォローしてた自分が馬鹿らしい。

すると、犯人大山が。

「だから、言ったろ?コイツは口先だけだって」

いつもの、大山先輩の声が聞こえた。

「だって、こんなに助けてくれないなんて、思わないじゃないですか」

「こういう奴だって」

あたしと、犯人大山の会話を、茫然と見ていた苫利先輩の目の前で、大山先輩が、目だし帽をとった。

苫利先輩の目が、大きく見開いていた。


え?


全然、気付いてなかったとか?


「苫利くぅん。最近、俺達があえて与えてあげてる仕事を面倒くさがってるんだって?」

大山先輩が、苫利先輩のところへ歩いて行き、肩にポンと手を置いた。

「や、やだなぁ。そんなこと思ってないですよぉ」

苫利先輩は、愛想笑いをうかべながら、大山先輩に話した。

「またまたぁ、デカイ事件あげて、本庁に引っ張ってもらいたいとか思ってるんじゃないの?だから、タレコミくらいの事件は手を出したくないんだろ?」

「何言ってるんですか、大山先輩。ぼくは、どんな事件だって喜んで捜査してますよ」

「またまたまたぁ、ちょっと、奥に行って、話しつけようぜ」

そういうと、大山先輩は、苫利先輩の襟首をつかむと、そのまま、ツカツカと奥の部屋へ入って行った。

その後、苫利先輩の叫び声が、しばらく続いたが、あたしは、助けようとは思わなかった。


しばらく、反省してください(__)



―おわり―