あたしは、一瞬、犯人大山を睨んだ。

「こいつが、どおなってもいいのか?」

犯人大山が、もう1度あたしに拳銃を突き付けた。

「オラオラ、どおすんだ?」

さらに、挑発する。

「わ、わかった!わかったから!そんなにすごむなよ」


苫利先輩?


「ほら、拳銃も置くから」

そう言って、苫利先輩は、自分の拳銃を簡単に床に落とした。

「こっちへ蹴ろよ」

苫利先輩は、愛想笑いをしながら、犯人大山に向かって、自分の拳銃を軽く蹴った。

苫利先輩の目を見ると、あたしの顔をじっと見ていた。


え(゚o゚)?


なに(゚o゚)?


あたしは、わざと頭を左右に降った。

犯人大山は、それについて何も言ってこなかったが、苫利先輩が、慌てた。

「欄ちゃん、動かないで!」

「……苫利先輩!助けて!」

「丸腰のコイツに何ができるんだよ。そこどけよ。この女、人質にもらってくからな!」

犯人大山は、あたしの肩に手をかけると、拳銃を突き付けたまま、歩きだした。

あたしは、スキをついて、大山先輩の腕を掴み、拳銃を奪おうとした。

「やれ!欄ちゃん!奪え!」


奪え?!


苫利先輩は、あたしの行動を応援するだけで、犯人大山に挑む気配はなかった。

あたしの、突然の行動にとっさに反応したのが、大山先輩で、素早くあたしの手首を掴み、空いてる手で、あたしの胸にエルボーを入れようとして、寸止めをした。

「アブネッ!」

大山先輩は、小声で呟いた。

あたしは、ねじ伏せられてしまった。

その様子を見て、苫利先輩が。

「なにやってんだよ。いつもなら、そんな奴簡単に捕まえるだろ?手加減なんてしなくていいんだから。さっさと、捕まえちゃってよ」


なぁんですってぇ(>_<)


さっさと捕まえろですって!?


頭にきたあたしは。

「か弱いからムリです!苫利先輩のほうが、強いんだから、助けて下さい!フンッ」

と、言った。

「な、なぁにを言ってるんだい、欄くん」


欄、くん?


逃げ腰で、苫利先輩は、弱音をはいた。


あ~あ(__)