―愛束縛―




髪を整えるアタシを 見つめる誠二の優しいまなざし

黒板に書いている時の広くて厚い胸板

太い首に 大きなのどぼとけ


これが全部アタシの物だと思うと 優越感に浸れた


だけど 本当はアタシの物じゃない…
それらは全部 奥さんと子どもの物


そう思うと 全部壊してやりたくなる





アタシの感情は狂ってる
喜怒哀楽がいっぺんに押し寄せてくる

自分でも 感情が抑え切れずに波に飲み込まれそうになる