雪がシンシンと降り積もる
太一に頼んで家まで送ってもらった
「一緒に行かなくて大丈夫?」
「送ってくれてありがとう ごめんね…変な所に付き合わしちゃって… 雪も降ってるから先に帰ってよ」
「待ってるから ゆっくりしておいで…」
「ありがとう」
車から門 門から玄関
その間 降り積もった雪に残った足跡は アタシのだけ…
どこの家も 無数の足跡が残ってるのに…
玄関を入ると 母さんが出て来そうな気がした
リビングにはまだ生々しく 母さんが首を吊ったヒモが残っていた
アタシは それを解き何もかも片付けた
雪のせいなのか アタシひとりだけだからなのか いつも以上に家の中が寒い気がした



