―愛束縛―




店内は アンティークの物が並べられていて ガラス製品もたくさん飾ってあった



足元の暖房がとても心地よくて コーヒーを飲むと 落ち着いていった




「少しは落ち着いたかな?」


「はい 助けてもらってありがとうございます」


「でも 気をつけなきゃダメだよ…」


「…はい」


高崎さんは まるで子どもに諭すかのように話す


「ところで…ここ閉めちゃうんですか?」

「ああ… うん この街を離れようと思うんだ」


「でも アタシこの時計のお金払ってない…」


「それはキミにあげるよ…きっとその時計がキミを選んだんだよ」




♪♪♪♪♪♪


「ちょっとごめんなさい」


「気にしなくていいよ」



 太一からの電話



♪♪♪♪♪



「もしもし…」


「もしもし? 鈴 今どこにいるの?」


「雑貨屋さん…」


「そっか…鈴… 落ち着いてよく聞くんだよ?」


「ん?…何?」


「鈴… お母さんが亡くなった…」