―愛束縛―



「3人で会って遊んでいるうちに 母さんね…お父さんの事が好きになったわ
 だけど 誰にも言えなかった…友達はその娘以外いなかったし お父さんと彼女が愛し合ってたの よく知ってたから…」






「…とても辛かったわ 彼女はとても良い娘でね…私の様子に気が付いて相談に乗ってくれたの

私は全部話したわ…

そして 2か月後彼女は高校を退学して結婚したの
お父さんは…彼女が結婚した理由を何も知らなかったわ」


「じゃあ…アタシは関係ないでしょ?」


「鈴…」


「なに?」


「お父さんはそれでも彼女を奪いに行こうとしてたの 母さん怖かった…失う事が怖かった…」


「だから… だからなによ?」


「母さん 嘘をついたの… 赤ちゃんが出来たって
父さんが彼女にフラれて ヤケになって母さんを1度だけ抱いたの… その時の子だって」

「で・・・?」


「本当は…母さんのお腹の中には赤ちゃんいなかったのにネ…



「お前… それじゃあ…」


「本当にごめんなさい…あなたを失う事が怖かったのよ 愛してたの…」



「ハハッ 茶番じゃん…」


「鈴 だけど誤解しないで…鈴あなたは母さんが欲しくて欲しくて…どうしても欲しくて授かった子なのよ」

「だけど…母さんにとっては つじつまを合わせる為に作ったのと 同じでしょ?」


「そう思われても 仕方ないわよね…」




「みんなオカシイよ…愛してる愛してるって言うけど じゃあ愛って何?人をおとしめて自分も苦しむ事なの?」


「・・・」


「鈴 もう終った事だ…母さんを許してあげよう…」


「あなた… もうイイのよ 私分かったの 人を苦しめれば結局自分にもはね返ってくるって… だから私 鈴と死のうとしたの…」