カフェから出ると 空は真っ暗で雷がゴロゴロいっていた


「まだ18時まで時間あるし…雨降り出しそう」


アタシは行くあてもなく とりあえず街をさまよった






「あっ キレイ」


アタシは雑貨屋の軒先に飾られた 時計に目を奪われた

シルバーのチェーンに 時刻盤の所がすりガラスで 時間が彫刻されていた

 「とても素敵!」

アタシはそれを手に取ってみた


欲しい! 絶対欲しい! でも… これいくらするんだろ?値段書いてないし…


店先で悩んでいると 中から店員さんらしき男の人が出て来て

「こんにちは
それ綺麗でしょ?
俺の兄貴が作ったからね…」


「え~!手作りなの?すご~い!」


店員のお兄さんは 自分が作った物を褒められて喜ぶ子どもの様に 口をニッと開けて笑った


「これって値段はいくらするんですか?」

「3万5千円… 少し高いけど 物はちゃんとした良い物だからね」

財布の中を見ても 2万しかない…


「残念だな…」


ちょっとショック…だけど あきらめきれない…


手首につけてみても アタシにピッタリだ…


「あの お金は明日持ってくるから…取っててもらえませんか?」


「ちょっと待ってて 兄貴に聞いてくるから…」

お兄さんは店に入って行った