あまり話しをした事は無いけど振り向けば知った顔があった。

「よう!」

陽気な同窓生の青山君がそこに居た。

「旅行じゃなくって、天宮は樋口雄大とこに弟子入りだっけ?ひょっとして今から行く前にセンセー達に挨拶?相変らず真面目だなぁー。
 あ、でも樋口雄大って見境無しのエロジジイって噂があるくらいだから天宮も気をつけろよって・・・おい」

その名前を聞いただけで体が震えた。
みんなの悪意ないやっかみは真の事実だった。
体中を這いずり回る肉厚の手と、初老の体臭が体中にシミ付いている事に気が付く。