帰る場所すらなくふらふらと足の赴くまま降りた駅は、この四年間足を運び続けた学び舎へと続く駅だった。
改札口を出て真っ直ぐ伸びる道路の先へ視線をなげるも、このご時世に新卒の子達に紛れて就職活動できる隙もなく、応援してくれた先生を失望させるわけにはいかない。
だけど、他に縋る人が思いつかなく、葛藤の中にいれば

「天宮じゃん。旅行帰りか?」

聞き覚えのある声がした。