虹色箒星

「実はどれももう随分と長い事飾っていてね」


苦笑しつつも私から目を離さない。
「天宮さんの絵でこの屋敷を飾って欲しい」

随分と悪酔いをしていると思った。
だって普通は無名の絵描きに絵を依頼するなんてありえるはずがないでしょ。

「数は今の所決めてないけど、とりあえずロビーのあのデカイのの代わりのもの、リビングの3点、食堂の4点」

「ちょ、ちょっと待ってください!私まだ半年前に大学卒業したばかりだし、誰かに師事させていただいたこともないし、賞だって賞らしいものなんて獲った事ないし・・・まだ、自分の絵をかけるほどの実力もないし・・・」

自分で言っておきながらあまりの薄い経歴に勢いよく立ち上がったわりにはぐずぐずと座り込んでしまう。