虹色箒星

妙にそんな仕種が似合い見惚れていれば

「フランスで修行した画家っすか。名前聞いても?」

「知ってるかな?もう亡くなってるんだけど吉野周造って言うんだ」

「吉野周造って・・・」

「知ってるも何も、日本の近代美術において樋口雄大と並ぶ油絵の第一人者じゃないですか!」

興奮するように青山君の口から出た名前に無意識に体が硬直して反応する。
視界の隅で茜ちゃんが私の顔を覗いているのが判るけど、その顔に振り向く余裕さえ今は無い。