匂いを辿りながらダイニングへと向えば、やっぱりこの部屋も想像通りの豪華な部屋だった。
大きなテーブルに真っ白なテーブルクロスが違和感がない。
4つのスープ皿にはコンソメスープ。
ハムを切って焼いただけの匂いが部屋中に満ちて、とても食欲を誘う。
真っ白なご飯を運んでる青山君が私達の登場に気づいて目を輝かせていた。

「もう準備が出来るから待ってろな」

人間ご馳走を目の前にすれば笑顔がこぼれるように、さっきの出来事が嘘のようにご陽気だ。

「おや、二人とも匂いに釣られてきたかい?当然飲むだろ」

言って抱えあげたのは由佳里ちゃん達が買いに行ったワインと

「橘さんもワイン出してくれた」

ご飯の次はワイングラスを4つ持って再び登場の青山君。

「今夜はリビングのソファー借りていいって言うから飲もうぜ!」

天宮の絵が沢山売れたお祝いだといえば、橘さんが馴れた手付きでソムリエナイフを使って開けてくれた。