大きな門を前にして車の中からあんぐりとドアが自動に開くのも驚いたけど、門をくぐる事10分程して見えたお屋敷と呼ぶに相応しいご自宅はまるで何処かのホテルのようだった。
玄関の前に車を止めれば、雨が当たらないようにと太い柱に支えられた大きな屋根まである。

「ホテルだ・・・」

同じ事を思ったのか青山君まであんぐりと口を開けている中、橘さんは住みなれた我が家にやっと帰って来たといわんばかりに「ただいまー」と、なれた足取りで家の中に入っていった。