虹色箒星

すっかり日が暮れてしまった世界に、そこまで気にする者はいないけど好奇心が止まる事を知らない茜ちゃんは本来の指定席の助手席を譲った相手に興味心身だ。

｢フランス生まれのフランス育ちだよ。縁があって10歳の時に養子になったんだ｣

フランス生まれと聞いた後にクスリといたずらっ子のように笑う橘さんはとたんに私達の中では舶来品のような高級イメージへと変化した。
貧相な思考だなと美を求める人間として反省してしまうも

｢だけど日本に来てもう16年になるかな?すっかり日本に馴染んじゃったけどね｣

通りで日本語が上手なはずだ。

｢橘さんは元々絵が好きなんですか?｣

お互い素性を探るような会話からだんだん突っ込んだ方に向う。