「あんたバカじゃないの、」

すごい勢いで走りながら帰っていくユキを変に思い、テツヤに事情を聞きにきたハナが、テツヤを叱り付けた。

わかってるよ、それぐらい

でも、なんでだろう。
追い掛けることができない。

違うんだ、ユキ。
こんなオレだから
ユキは、
こんなオレなんかといても困るだけなんだろうって、思ってたんだ。
だから、うまくいえないけど

そんなことないよ、テツヤといるだけで嬉しいよ

なんてクサイセリフ、はいてくれるなんてあわく期待していたんだ。

バカなオレ。

ごめん、ユキ。
今すぐ会いたい。でも会えない。
バイトも見つけて、貯金して、大学にも受かったら、おまえ迎えに行くから。

ごめんな、
今はこのこと言えないけど、かならず迎えに行くからな…