はぁ、はぁ、はぁ
街のあかりがドラマのように立ちすくむユキを包み込む。

そんなつもりじゃなかったのに。

あたしがいけないんだ。
大学は受けないって、ずっと言ってたのに。
親に受けろって言われたのも、あたしが前から受けないってちゃんと言ってたらかわっていたかもしれない。

「ユキ…」

えっ

「…雪ふるかなーっ。明日クリスマスイブなのにっ」

そういいながら小学生がユキのとなりを走っていった。
ばかじゃんアタシ。
テツヤかと思った。
はぁ。
追い掛けてもくれないんだね。
所詮あたしなんてそんぐらいだったんだよ。

「ねぇ、サボり?一緒にあそばなーい?」
ユキに声をかけたのは若い数人の男女たち。
アタシ、このままじゃながされていくよ?

「…ごめんねー用事あるんだ、ありがとうねっ」

「えー残念っ可愛かったのにー」
「うちらがいるじゃん!」

ユキはそれを背中で聞きながらすたすたと歩いていった。
今日は、お母さんの作ったカレーを食べようか。