ハナは、ユキの目を真直ぐに見つめて、話しはじめた。
「あたし、正月中ずっと、リュウタと遊んでたんだ。んで、聞いたんだけど、テツヤくん、正月中ずっとバイトしてたんだって!」

「・・・」
なにも言うことがなかったユキは、喋るかわりにハナを見据えて、もっと話して、と言うようにうなずいてみせた。

「なんでだと思う?テツヤくんちは、貧乏じゃないのに。それは全部、ユキのためなんだよ。」

「・えっ?」

ハナの言ってる意味がよく分からなかった。

「…どうゆう事?」

ユキは混乱しながらもハナに聞いた。

「だから、あんた達、卒業したら同居するって言ってたじゃん。だから、そのお金貯めてるみたい。」

ハナはそう言うと
「サラダ追加で注文してくる。お腹すいちゃった。」
と言ってレジへ行ってしまった。

なにそれ。
ユキは、ハナの話を聞いてもっと混乱した。

少ししてハナがサラダとポテトがのったトレーを持って戻ってきた。
さっそくユキは身をのりだしてハナに言った。

「ハナ、この際ぜんぶ吐いてよ。そんな事、隠してやられても後で困るだけだよ‥」

ユキの目には大粒の涙が流れていた。
ハナはその姿を見て、観念して話しはじめた。