♪♪♪

「…電話や!!!!」

「立川さんの携帯やないか?」

「あ…本当だ。ちょっと待ってください」

カバンから携帯を取り出す。

あれ?知らない番号だ…
誰だろう。


「もしもし…誰ですか?」

『律子?番号消しちゃったの?俺だよ、純次』

「純…?どうしたの…」

元バンドのメンバーだった。

解散と同時に、私はメンバーのアドレスを全て消していたんだ。

『いや…今、メンバー皆集まってんだわ…』


「……なんで?」

もう解散したでしょ?

『今更言っても遅いだろうけど、ごめんな律子』

聞こえてきたのは、謝罪の言葉。

無性に腹が立った。

「遅いよ。なんで今更謝るの?謝られたくもない。」

私の口調から、少なくともマネージャーさんには、話している相手が元バンドのメンバーだってことが分かったみたい。

『いや…本当にごめん。俺ら、お前のおばさん、亡くなってたことも知らないで…一方的に責めたりして…』

「……………」

『俺ら…俺らと、もう一度、演奏してくれねえか?』

「……もう一度…?」

マネージャーさんと、少しだけ、マサの顔が強ばった。

『俺らが悪かった。本当に、もし良かったらでいいんだ。ダメなら、お前の変わりを探すだけだから。
お前が許してくれるなら、もう一度、あの頃みたいに、笑い合ってさ…』

「…………」

また…前みたいに戻れるの?

また…、皆で、笑って………