「……やっぱり、断りに来たんか」
「え」
マネージャーさんにはお見通しのようだった。
「分かんで。今更アイツらの中に入って演奏すんのも難しいよな……今のサポートドラマーも、一回マサが正規メンバーに誘ってんけど、同じような理由で断んりょったわ。」
「そうだったんですか…」
「でも、、断られた時、マサは、一回であっさり諦めよったわ。あいつ、基本的にああ見えて話の分かるやつやから…立川さん、あんたの場合は違うよなあ…?あいつ、むっちゃ頑固や…なんでやろな?」
「…………」
マネージャーさんは、フッと笑って、マサを眺めた。
私、マサのこと、頑固で諦めの悪い人って印象しか持ってなかった。
だけどそれは、私に対してだけだったんだ。
「立川さん!!今度マンガ貸すわ!!」
急にマサが私に叫んだ。
「はい?」
「しゃーから!!今オススメのマンガあんねんって!!読んでくれ!!!!」
「あー待て待てマサ。もう、今度は無いねんで。」
マネージャーさんが私を助けるようにマサに話しかけた。
「は!?」
「やからな、立川さんはわざわざここまで、マサの誘いを断りに」
「いや…あの…」
私は、マネージャーさんの言葉を遮った。
「え?」
マネージャーさんとマサは、私を見た。
「やっぱり……私、」

