帰ろうとする私の腕を翔ちゃんはなかなか離してくれない。 「だからごめんって。 愛美はもう切るから。 ・・・俺には夏しかいないんだよ」 (あぁ、またか・・・) この言葉を聞くのは何度目だろう。 『俺には夏しかいない』 その言葉を言う時の翔ちゃんの顔はとても切なげで あたしは彼を許してしまいそうになる。 でも今日は違うから ……もう絶対に振り向かない。