「うぁ…」
上から
いきなり
落ちてきた水。
冷たい
という思いよりも
何が起こったの
っていう
気持ちが勝って、
「あらぁ。
ごめんなさい♪」
意地悪な声の
後ろの持ち主の方を
振り向く。
あ。
美人で派手な人。
お金持ちの娘に
ありがちなカンジ。
「あ…いえ」
いきなり
水をかぶって
びっくりした。
だけど
「うっかりグラスが
傾いちゃって。
本当にごめんなさいね」
とびきりの笑顔。
なんだぁ。
わざとじゃ
なかったんだ。
「あたし、大丈夫ですっ
気にしないでくださいっ」
この人はお嬢様だけど、
あたしは
一般人だから
こんなの平気だもん。
気を使わせちゃ
だめだよね?
なぜか彼女は少し
あたしを見据えて
それから、
近くにいる
お嬢様集団のなかに
戻っていった。
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