まるで
芸術品みたいな
食事がどんどん
運ばれてくる。
…フルコースディナー
ナイフと
フォークに
大苦戦。
お嬢様って、
いっつもこんなの
食べてたんだなぁ。
「ね、結衣。
あの後どこ行ってたの?」
「う…」
思わず紅茶を
吹き出しそうになる。
「え!?
何かマズいこと言った?」
「や…
なんでもないよっ」
ゴホゴホと
むせるあたし。
…そうだ。
菜子なら
桜井陸のこと
知ってるかも。
「あのね、
菜子…「それにしてもさぁ」
なんと
菜子と
かぶってしまった。
「周りの男子、
みんな結衣のこと
見てる」
にやにやしながら
菜子がいう。
確かに
気がつかなかったけど、
男子に見られてるみたい。
でも、それだけじゃない。
「菜子…あたし
女子にも見られてる」
ううん。
見られてる、ではなくて。
『睨まれてる』
…なんで!?
.

