「はぁ〜。すごい」
目の前に広がるのは
湖で、
木陰やベンチ、
フラワーアーチのある
外国みたいな庭園。
莫大な敷地内を一週間で
まわれるはずがないから、
ここへ来るのは
初めて。
こんな素敵な
場所があるなら、
ここでの生活も
耐えられるかも。
そんな気持ちになれる。
「わっ…!」
どうしたことか、
歩いていると
自分の足が何かに
引っかかった。
ドサッ
「いったぁ…」
もー!
何なの!?
こんなとこで
こけるなんて。
簡単につまづいてしまう
自分に呆れる。
でも、
つまづいた原因を見るために
下を向いた途端…
「えぇっ…?」
目を丸くするあたし。
体が一瞬、
凍り付くような
不思議な感覚。
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